RPAとは

RPAを知る

RPA(Robotic Process Automation)とは

RPA(Robotic Process Automation)とは、複数アプリケーションにまたがる基本動作を、人が操作しているのと同じように、簡単に自動化するツールです。情報システムやMicrosoft Office、ブラウザ等でのPC操作を、「シナリオ」として構成することができ、自動的に連続実行させることができます。

RPAによって、

  • 社内外のシステムAからデータを取得し、システムBに転記する(システムへのデータ入力)
  • 複数のシステムから必要なデータを抽出・加工して、1つの帳票を作る(データ取得・出力)
  • 社員から申請されたデータと、Webシステムで検索・抽出したデータを比較して精査する(チェック・照合・加工)

といった、これまで人が行っていた一連性を伴う手順を自動化できます。(図表1)



RPA(Robotic Process Automation)での一連性を伴う手順を自動化

図表1:RPA(Robotic Process Automation)での一連性を伴う手順を自動化



RPAの何が革新的なのか

RPAが注目を集めている理由は、昨今の「人手不足」、「働き方改革」、「生産性向上」の議論の高まりを背景に、システム化から漏れ何年も放置されてきた少量多品種の自動化を実現できることにあります。

日本でも1990年代頃からERPなどの大規模システム投資が始まり、財務・会計情報処理や人事情報処理などの業務を中心に効率化が進められてきました。しかし、費用の都合上やセキュリティ制約等の理由でシステム間連携が困難な業務はシステム化の対象から一旦外され、人の手を介してエクセルやアクセスなどによって処理され続けてきました。例えば、管理会計上必要な報告のため、エクセルで帳票出力し、アクセスでデータ処理、エクセルでデータ加工、レポートの体裁を整えるなど、一連の手作業にかなりの時間と労力をかけているというのが現状です。このような業務は、たとえ1件1件のボリュームは小粒だったとしても、それを毎日繰り返し実施することで、総合的にみるとかなり大きなボリュームになります。

このような業務をシステム化するには、追加投資を得るために、各操作のボリュームを継続的に計測して積み上げ、投資対効果を訴える必要があります。日々の業務に追われる中そこまで手を回せずに、人海戦術で何年も対応し続けた結果、そうすることが当たり前になっていつしかシステム化の対象ですらなくなってしまう...。このようにして、社内にはシステム化から取り残された手作業が山積しています。

手作業を放置することで、以下のように問題はさらに大きくなります。(図表2)

  • 手作業にミスはつきものであるため、確認作業が必要となる(工数増)
  • トランザクション量に応じて手作業の量が増える場合、処理が集中する期間とそうでない期間に繁閑差が発生する(業務繁閑)
  • ある特定の秘匿情報を扱う単純作業に、権限を持つ社員が縛り付けられてしまう(高付加価値人材の不適配置)
  • 処理しきれない手作業の山を抱え、仕事に対する意欲を失ってしまう(従業員満足度の低下)

このような問題は、ミス・トラブルの温床やコスト増、業務の継続性リスクに繋がります。



手作業を放置することで問題拡大

図表2:手作業を放置することで問題拡大



RPAの仕組み

RPAは「UI(User Interface:ユーザー・インターフェイス)認識」と「ワークフロー」を融合させたツールで、

  • 操作対象(情報システムやアプリケーション)を認識(※)
  • 基本操作(コピー&ペースト、クリックまたはキー押下)の実行
  • フローチャートでの分岐処理の実行

が可能です。

※ 操作対象の認識の仕方には、図表3の通り、「画像認識」、「座標認識」、「構造解析」のいずれか、またはその組み合わせがあります。



RPAでの操作対象(情報システムやアプリケーション)の認識の仕方

図表3:RPAでの操作対象(情報システムやアプリケーション)の認識の仕方



従来のシステム連携との違いは、RPAはユーザー・インターフェイスを中心とした操作の自動化を実現することです。これまでは、システム連携のためにはAPI連携またはDB連携といったシステム改修が必要でした。しかしRPAは、より手軽にUI(ユーザーインターフェイス)を介してシステム連携と同じ効果を実現することができます。(図表4)ただし、RPAはシステムのようにデータの保持や共有ができないことには注意が必要です。



これまでのシステム連携とRPAによるシステム連携

図表4:これまでのシステム連携とRPAによるシステム連携



また、RPAはエクセルのマクロ/VBAによる自動化にも似ていますが、

  • 複数アプリケーションを跨いだ処理ができる
  • ノンプラミングで「シナリオ」を開発できる(※)
  • 稼動している「シナリオ」を組織的に管理できる

といった点で大きく異なります。

※マクロ/VBAではプログラミング言語(VBA)によるコード記述が必要です。一方、RPAは、シナリオの作成をGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を用いて行えるため、直感的かつ初心者にもとっつきやすく、専門的な知識が不要です。具体的には、ツール内にあらかじめ用意された(ライブラリやノードと呼ばれる)動作一覧(例:「繰り返し実行する」「転記する」)から、実行したい動作をドラッグ&ドロップし、フローチャート化(図表5)していくことで、作成できます。



実行したい動作をドラッグ&ドロップしたフローチャート化

図表5:実行したい動作をドラッグ&ドロップしたフローチャート化



以上のように、RPAはあくまでも「人がPC上で行っている操作を代替」するツールであるため、以下のように操作/権限上、人ができないことはRPAでもできません。

  • システム内部のデータの持ち方やインターフェースの変更
  • 使用しているID権限を越えた画面遷移や情報の閲覧、更新
  • ネットワーク的に遮断されているエリア・システムとの連携
  • ユーザー・インターフェイスには表示・検索されない情報の取得(例:顧客番号が統一されておらず、単一の契約番号でしか管理されていないDB内から顧客単位の契約情報を取得する等)
  • データの保持と共有や管理
  • システムやOS、フォルダ等に対するアクセス権の制御
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