インシデント防止策やCSRの取組比率増大により購買契約の工数が増加、
紙と人手が中心の運用を脱却して、省力化を実現したい
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業務統括部 ソリューション購買部 向井田 絵理 氏 |
業務統括部 ソリューション購買部 グループリーダ 笈田 幹則 氏 |
業務統括部 ソリューション購買部 部長 浜崎 哲也 氏 |
膨大な量の納品書、データエントリーから検収確認までの業務負荷軽減を目指す
弊社は横浜本社の移転を機に、物(紙)から脱却して場所や時間に縛られないワークスタイルを実現しようと、営業証憑類の電子保存による業務効率化を進めてきました。特に、年間23万件もの発注をこなす購買部では、電子契約(EDI)の導入も仕入先全体の30%と発展途上であり、書類の保管も外部倉庫が必要になるなど、「紙と人手」が中心の運用からの脱却が目下の課題でした。
従来の「高品質のものを安く・早く仕入れる」業務に加え、内部統制と CSRの取組比率が増大
求められる役割も変化し、「高品質のものを安く・早く仕入れる」という従来の業務に加えて、インシデント防止策によるダブルチェックや、CSR関連の取組比率の増加もあり、発注件数の増加率以上に購買関連オペレーションの工数が増えています。購買部は限られた予算での人員計画であるため、増員による解決は困難です。
ミスが許されない膨大な量の繰り返し作業が、社員のストレス要因に
また、購買部には「同じ作業の繰り返す業務」が膨大にあることも事実です。作業そのものは難しいわけではありませんが、数量や金額を扱うため間違いが許されない重要な業務です。この、「件数が多く単調になりがちだが、ミスは絶対にNG」という作業の繰り返しは、社員のストレス要因になりがちであり、業務そのものの省力化が重要なポイントでした。
課題のポイント
- POINT01
- 膨大な量の納品書が起点となる業務の負荷軽減
- POINT02
- インシデント防止策やCSR関連の取組みで増大するオペレーションへの対応
- POINT03
- 社員のストレス要因となっているミスが許されない膨大な量の繰返し作業の低減
イメージスキャナー+OCR+RPAの組み合わせにより納品確認作業の省力化を実現
製品購入の詳細フローを点検し、スキャナー+OCR+RPAの連携に適した作業を切り出す
この課題の解決策としては、「単調」「繰り返し」「ミスNG」という課題のキーワードから、RPAが得意な分野であると考え、数あるツールの中から、日本語に完全対応の『WinActor
®』を採用しました。また、納品書等のペーパーレス化に向けては、弊社の代表製品である「fiシリーズ」のスキャナーと、OCR「DynaEye」を活用し、WinActor
®との連携フローを組むことで、大幅な省力化を達成しました。
OCRの認識率を高めるため、標準帳票の改訂にトライ
しかし、テスト段階ではOCRの認識率に改善の余地があり、人手での修正作業が発生したため、OCR利用を前提とした帳票改訂にトライしました。例えば、日付は和暦ではなく西暦に誘導するため「20XX年」の「20」を予め印字したほか、必須記入枠の明確化、FAX送信用の送付範囲マークの追加などです。これらの取り組みにより、仕入先ごとの記入差を是正し、人手による修正率を従来の1/3にまで減らすことができました。
業務フローやスケジュールの調整を通じて、WinActor®のポテンシャルを引き出す
ほかにも、RPAの特性に合わせて業務フローを単純化したり、人が実施する業務とバッティングしないように、利用するスケジュールを調整するなど、WinActor
®のポテンシャルを引き出す工夫を続けています。これにより、ミスが激減した(手戻りが減った)ことはもちろん、RPAを夜間に動かすことで生産性も向上し、購買部だけでも年間で3人月分の効率化を達成できました。また、定性的にも、単純作業をRPAに任せられる安心感から社員のストレスが減り、職場の雰囲気も明るくなったと感じています。
解決のポイント
- POINT01
- スキャナー+OCR+RPAの連携で、データエントリーから検収確認までの大幅な省力化を達成
- POINT02
- OCRに適した帳票改訂と業務フロー見直しを行い、RPAが得意とする処理に合わせたシナリオ整備
- POINT03
- 業務の単純化や人の作業とのスケジュールの調整を通じて、RPAのポテンシャルを引き出す