導入したRPAを全社拡大する上で、現場のRPAに対する誤解や既存ツールの開発・メンテナンス難易度(プログラム経験が必要)がボトルネックになっていた。
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業務改革推進本部 本部長 渡部 広和 氏 |
業務改革推進部 RPA推進室 室長 矢頭 慎太郎 氏 |
業務改革推進部 RPA推進室 髙橋 洋実 氏 |
事務処理の軽減のためRPAをテストするも、現場とはRPAの認識に差
当社では法改正の対応で現場オペレーションが煩雑かつ膨大になっていました。そのため、人材派遣の事務処理業務の軽減を目的に、とあるRPAツールを先行導入しました。さらに、導入を拡大する過程で、現場ではRPAに対する誤解があり、対象業務のピックアップが難航しました。
プログラミングスキルが必須だと、導入後の現場メンテナンスが困難
先行導入したツールは、開発やメンテナンスにプログラマレベルのスキルが必須だったため、専門のエンジニアに発注して自動化プログラムを作成していました。一方で、現場にはプログラミングに理解のあるメンバーは少なく、稼動後のメンテナンス負担等を考慮すると、このツールをそのまま全社展開することは難しい状況でした。
ナレッジの集積やセキュリティ面からも社内ルールの整備が必要
さらに、全社展開を見据えた場合、稼働後の野良ロボ化を防止し、セキュアに運用するためのルール作りや、各部門での開発・運用の社内の共通ナレッジを言語化・定型化して蓄積していくことも課題の一つでした。
課題のポイント
- POINT01
- RPAに対する誤解があり、対象業務の選定が難航
- POINT02
- プログラミングスキルが必須だと、現場でのメンテナンスが難しい
- POINT03
- RPA関連の社内ルールが未整備のため、ナレッジが分散してしまう
プログラミングスキルが不要なRPA「WinActor®」を並行導入。ナレッジはRPA推進の専門メンバーを中心に集約・マニュアル化して横展開も実施。 「WinActor®」 にて9か月間で47業務/年3万6000時間分のRPA化を実現。
社内キャラバンを実施して、現場へのRPAの浸透と対象業務の洗い出しを推進
まずは、社内へのRPA周知や候補業務の洗い出しのため、キャラバンと称して各部署へRPA説明行脚を行い、正しい理解促進と候補業務の吸上げを集中的に行いました。これがとても大切な過程です。現場の業務を一番よく分かっているのは現場であり、RPAを使って実際に業務を進めるのも現場です。そのため、いかに「自分ゴト」として一緒に考え、時には一緒に手を動かしてもらえるかが導入の大きなポイントになると感じています。
プログラミングスキルが不要な「WinActor®」を並行採用。社員を育成・新たなキャリアパスに
社内で開発・メンテナンス可能な体制を作るため、「プログラム開発経験がなくても開発・メンテナンスができるRPA」とWinActor
®の紹介を受け、既存ツールと並行して導入しました。プログラムスキルが必須ではないことから、業務の内製化が期待できるだけでなく、現場がRPA活用のスキルを習得することで、事務が中心だった社員が新たなキャリアパスとして「RPA担当」の道を拓くこともできました。WinActor
®は単なる自動化ツールとしてだけでなく、人材育成の観点からも高く評価されています。
RPAの専任部署を中心に、ナレッジの集約と社内ルールの整備を実施
普及期では、インフラ管理や基幹システム、情報セキュリティ部門との連携・共有方法が未整備だったため、導入部署が増えるにつれて混乱が生じました。そこで、専任部署として立ち上げた「RPA推進室」が中心となり、部署間の情報連携や申請手続きを形式化するとともに、運用ルールや運用状況の定期監査を整備しました。さらに、各部署に分散していた開発ナレッジを集約してドキュメント化することで、全社でナレッジを共有できる環境を整えました。
解決のポイント
- POINT01
- 社内キャラバンで現場へのRPAの浸透と対象業務の洗い出しを推進
- POINT02
- プログラミング不要な「WinActor®」を並行採用。RPAが新たなキャリアパスに
- POINT03
- RPAの専任部署を立ち上げて、ナレッジの集約と社内ルールを整備