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給排水衛生設備の専門工事会社である株式会社西原衛生工業所では、2024年度から適用される建設業における時間外労働の上限規制をきっかけに、働き方改革のひとつとして業務の自動化を推進しています。2021年3月、工事安全管理の業務にWinActorを導入。クラウドサービス上で行う施工管理体制の管理業務を自動化し、年間300時間削減の成果がありました。共通業務を担う業務部でもRPA(自動化ソフトウェア)導入に向けて、工事安全管理業務で運用実績のあるWinActorのほか、複数のRPAを比較検討しました。首都圏本店業務部統轄グループ小鮒氏は選定理由を次のように語ります。
小鮒氏「専任のIT技術者がいないため、自分たちでシナリオ作成、修正ができることを重視しました。さらに販売店の手厚いサポートが決め手となりました」
最初に自動化したのは、 “委託先契約書PDFの基幹システムへのアップロード業務”でした。業務全体の設計や運用ルール、PC操作の手順などを整理し、販売店にアドバイスを受けながら試用と修正をくり返してシナリオを作成。約半年で本格運用を開始しました。その後、毎月固定の20社の協力会社への“業者支払帳票作成”、 “勤怠システム上の日次入力状況確認”、“社員給与負担先の基幹システム自動入力”などの業務にもWinActorの活用を拡大。現在、業務部では4つのシナリオが稼働しており、首都圏の12ヶ所の事業所で年間約180時間の業務時間削減に貢献しています。首都圏本店業務部統轄グループの細淵氏にWinActorでのシナリオ作成について伺いました。
細淵氏「簡単なシナリオ作成から始めて、仕組みを理解しながら反復することで、次第に複雑なシナリオ作成へとステップアップできました。イレギュラーな動きやエラーが出た時などは、販売店にその都度、相談して解決することができてとても助かりました」
資材の価格交渉をするコスト管理部では他社のRPAを使用していました。シナリオ作成や保守はベンダーに任せていたため、基幹システムのアップデートがあるたびにベンダーへ修正依頼をしなくてはなりませんでした。修正にかかる時間と費用が負担となっており、自部署で改修できるRPAへの乗り換えを検討することに。運用を担当するコスト管理部調達グループの青山氏に、乗り換えの理由を伺いました。
青山氏「システムの知識がなくても扱えるノーコードのRPAを探す中でWinActorにたどり着きました。業務部が運用していたので、業務部にシナリオの動作や編集画面を見せてもらい、利用できそうだと確信。基幹システムとの互換性が良いことも魅力でした」
他社RPAでベンダーに依頼していた内容と同じシナリオをWinActorで内製。WinActorのライブラリやノードの説明を参照し、わからないことはネット検索したり、販売店へ質問したりして、“注文書発行業務”、“部内業務のリマインドメール送信”の2つのシナリオを完成させました。年間のRPAの保守費用節減のほか、残業時間削減、返答期限の遅延防止などを実現。さらに、部署の中で困っていることをヒアリングして、月次資料など新しいシナリオ作成にも挑戦しています。
今後の展望を小鮒氏に伺いました。
小鮒氏「最も事務作業の効率化が必要とされる工事部の書類作成などの自動化に向けて準備をしています。将来的には各支店にRPAを導入する全国展開が目標。各支店の時間削減のほか、導入にあたり支店ごとや担当者によって曖昧だった業務の進め方やルールを見直し、統一することで効率化も図れます。シナリオ作成、管理・改修などWinActorを使える社内の人材育成も大きな課題のひとつです」
WinActorをベースに、多様な業務の自動化を広げることはもちろん、他のしくみと連携するなど、さまざまな活用が期待されます。
会社名:株式会社西原衛生工業所
所在地:東京都港区三田3-5-27 三田ツインビル西館
創業:1917年10月1日
事業概要:大正6年創業、給排水衛生設備の専門工事会社です。「水の活用を通じて社会に貢献する」を基本理念に快適で豊かな環境づくりに取組んできました。給排水設備、給湯設備、衛生設備、消火栓設備、スプリンクラー設備の設計・施工管理など、ハイレベル且つ幅広い専門分野で、日本を代表する建築物の給排水衛生設備の設計施工を多数手掛けています。
URL:http://www.nishihara-eng.co.jp/
首都圏本店 業務部 統轄グループ
小鮒潤礎氏
首都圏本店 業務部 統轄グループ
細淵健氏
コスト管理部 調達グループ
青山友香氏
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