本部長 滝田 祥丈 氏 |
私たち株式会社日本旅行・グローバルビジネストラベルは、ビジネス出張管理業務を総合的にサポートする「ビジネス・トラベル・マネジメント(BTM)」の専業会社として、140カ国をカバーするネットワークから蓄積された出張データを生かして、快適かつコストを抑えた出張の手配や、出張時の危機管理のソリューションをご提供しています。
膨大なデータを扱う予約管理やレポート作成などの多くの業務は、専用システムを使って既にデジタル化・効率化が図られています。しかし一部の業務はシステム化から漏れており、例えば請求書発行・送付の業務では、電子データを一度プリントアウトしてコメントを手書きしたものを業務委託先に送付して、そこで再度電子データにして送付するという「デジタル→アナログ→デジタル」という非効率なプロセスがあり、早急に改善したいと考えていました。
効率化の観点では、全ての業務をシステム化することが一番です。しかし、業務で利用しているシステムは自社開発であるため、一般化されているものに比べてエンジニアのリソースが限定されており、改修や機能追加には時間や大きな投資コストがかかります。そのため、将来的な全プロセスのシステム化の検討と並行して、即時性のある施策も必要でした。
即時性のある効率化施策としては、ヒトの作業(定形業務など)を細分化して自動化できるツールとして優秀なRPAが適していると考えていました。数あるRPAツールの中でも、専用サーバーやシステム変更が不要なクライアント型であり、個々の業務の変化に簡便かつスピーディに対応できる「WinActor®」を採用しました。
WinActor®の社内展開を進める中で、RPAも万能ではなく「得意/不得意な処理方法があること」がわかりました。導入効果を高めるため、現在の業務フローにRPAを適用するのではなく、「RPAが得意なこと」に合わせて、業務プロセスやドキュメントテンプレートの整理・標準化に工夫をこらしました。具体的には、RPAが活用できないアナログデータ作業を挟むのを止めたり、自動化に不向きなデータの場合は、人が前処理をしてからWinActor®に作業を引き継ぐプロセスを新たに取り入れました。
人とRPAで業務を分担させると、「社員が勤務時間内に実施した業務の後続フローを、RPAが夜間や早朝に処理する」というように、RPAの利点をより活かすことができます。ただし、イレギュラーな対応を含めた全てのケースで自動化を目指すと、シナリオが複雑になってしまい、エラーが発生しやすくなります。 勤務時間外のWinActor®の安定稼働を実現するには、シンプルな業務部分に限定にするなど、ある種の割り切りも必要だと思います。
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