職員が小さな成功体験を積み重ねて変化に慣れていくことで
行財政改革の行き詰まりから脱却したい
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企画政策課 行革・公共施設マネジメント推進室
主査 住本 啓 氏 |
IT政策課 情報システム係 主事 鈴木 宏信 氏 |
IT政策課 情報化推進係 主事補 佐藤 暢 氏 |
変えることへの抵抗感や行き詰まり感を払拭して、行財政改革を推進したい
掛川市では、「希望が見えるまち、誰もが住みたくなるまち」の具現化に向け、持続可能な行政経営を目指し、行財政改革に取り組んできました。しかし、業務量減を伴わない職員数削減による職員負担増や、新しいチャレンジへの抵抗感から、庁内には一種の「改革への嫌悪感・行き詰まり感」があり、この雰囲気を何とか打破したいと考えていました。
管理部門主導の「やらされ感」がある改革から抜け出したい
これまでの改革は管理部門主導で実施し、職員数削減や補助金の見直し、指定管理者制度の導入などを進めてきました。一方で、個々の現場では「やらされ感」を感じる場合や、画一的な改革により歪みが生じるケースもあり、次のステップに進むためには、現場が自主的な改革に取り組むことが必要でした。
はっきりと分かる成果を還元して、自主的な改革への関心を高めたい
改革に関心を惹きつけて現場の協力を得るためにも、これまでも実施してきたフローの見直しやエクセル上での工夫だけでなく、取り組みの象徴として新ツールを採用したいと考えました。その条件として、はっきりとわかる成果を市民や現場に還元できることや、即効性・柔軟性があることを重視し、一部の自治体でも普及が進んでいるRPAに注目しました。
課題のポイント
- POINT01
- 行き詰まりが見え始めた行財政改革を再加速させたい
- POINT02
- やらされ感のある改革から、自主的な業務改善にシフトしたい
- POINT03
- 即効性、柔軟性のあるツールを活用して改革への関心を高めたい
現場の負担感が高い定形業務に狙いを定めてRPAの活用を推進し、
事務改善による市民、市役所、職員「三方一両得」の改革を実現
実証実験でRPA『WinActor®』の費用対効果を確認
RPAの選定・テストにあたっては、日本語に完全対応しており、自前での開発・メンテが可能な『WinActor
®』で実証実験(PoC)を実施しました。代表的な事例としては、納税課をはじめ、8 課16業務45科目にも手作業がまたがって煩雑化していた、税金等のコンビニ収納における入金処理事務があります。この業務を自動化することで、ヒューマンエラーの防止や自動化による業務集約など、年間440時間の効率化が確認できました。
現場の希望を中心に自動化対象の業務を抽出
PoCの結果を基にRPAの導入を決定し、RPA拡大対象の業務を募集したところ、庁内から66事業(年間約10,000時間)もの希望が寄せられました。しかし、実際の現場では「業務を改善したいが、普段の仕事を回すだけで精一杯」という場合がほとんどです。そこで、実際の現場を支援するため、IT担当部局や行財政改革担当部局が業務課題の抽出やフローの見直し、RPAの導入・自動化の実現までをサポートしています。
RPAを活用した効率化が、市民、市役所、職員「三方一両得」の改革の第一歩に
定形業務の自動化は効果が実感しやすく、職員の反応も想像以上です。また、効率化の成果は職員だけのものではなく、市民の皆様には「正確かつ低廉なサービスを提供でき」、市役所は「経費削減等による生産性の向上」、職員は「負担軽減やワークライフバランスの向上」といった、三方一両得の改革の第一歩につなげることができると感じています。
解決のポイント
- POINT01
- PoCを実施してRPA『WinActor®』導入の費用対効果を確認
- POINT02
- 管理部門のサポートで、現場の自動化導入負担を軽減
- POINT03
- RPAによる改善を市民、市役所、職員「三方一両得」の改革の第一歩に