はじめに
NaRuKami 運用サポーターを使用して、営業事務にて、チャットを使って取引先への出荷報告をするサンプルシナリオ(以降、本サンプルシナリオ)について説明します。
本サンプルシナリオの概要
本サンプルシナリオは、以下の処理を行います。
- 出荷報告リストファイルに記載されている出荷報告書をメールに添付し取引先へ送信します。
- 取引先のメールアドレスは、取引先マスタファイルに記載されている取引先のメールアドレスに従います。
- メールは以下の内容となっています。(xxxは出荷報告リストファイルの取引先が適用されます。)
【件名】
出荷報告
【本文】
xxxx様(改行)
(改行)
(改行)
添付の通り、出荷したことをご報告いたします。(改行)
(改行)
☆☆☆株式会社(改行)
担当:△△△
- NaRuKami 運用サポーターを使って、指定のチャットへファイル送信とメッセージ通知します。
- 接続するチャットは、取引先マスタファイルに記載されている接続設定ファイルに従います。
- メッセージは以下の内容となっています。(xxxは出荷報告リストファイルの取引先が適用されます。)
【メッセージ】
営業事務システムからのお知らせです。(改行)
【xxx様へ出荷報告】を送付しました。(改行)
以下のファイルを確認ください。
- 出荷報告リストファイルに記載されている出荷報告書に対して処理を続けます。すべての出荷報告書の処理が完了したら終了します。
使用するWinActorモジュール
本サンプルシナリオでは、以下のWinActorモジュールを使用します。
- NRK運用サポーター/チャット内容設定1.3.1
- ノード/選択ボックス
- ノード/待機ボックス
- ノード/コマンド実行
- ノード/変数値コピー
- ノード/変数値設定
- 01_WinActor制御/02_シナリオ制御/シナリオ停止.ums6
- 04_自動記録アクション/エミュレーション.ums6
- 07_文字列操作/01_変換・整形/改行コード追加.ums6
- 07_文字列操作/01_変形・整形/文字列置換.ums6
- 07_文字列操作/02_切り出し・分割/文字列削除.ums6
- 07_文字列操作/03_連結/文字列の連結(2つ).ums6
- 07_文字列操作/03_連結/文字列の連結(3つ).ums6
- 09_待機/指定時間待機(変数指定可).ums6
- 11_ウィンドウ関連/ウィンドウを閉じる.ums6
- 13_ファイル関連/02_ファイル操作/ファイル移動.ums6
- 13_ファイル関連/05_ファイル名/フォルダパスとファイル名の連結.ums6
- 14_入力欄操作/名前を付けて保存画面ファイル名入力.ums6
- 18_Excel関連/03_行列操作/Excel操作(最終行取得 その1).ums6
- 18_Excel関連/Excel操作(値の取得).ums6
- 20_メール関連/メール送信.ums6
- 98_構造データ関連/01_JSON/JSON変数 ファイル保存.ums6
- 98_構造データ関連/01_JSON/JSON変数 要素追加.ums6
- プチライブラリ/変数の文字数をカウントするライブラリ
- プチライブラリ/ファイルパスからフォルダパスとファイル名を取得するライブラリ
- プチライブラリ/Excel操作(一致検索(値と数式))
- プチライブラリ/現在の年月日時分秒を取得するライブラリ
(プチライブラリはこちらからダウンロードできます)
- スイートライブラリ/フォルダの存在チェック
(スイートライブラリはこちらからダウンロードできます)
動作確認環境
本サンプルシナリオは以下の環境で動作を確認しています。
- Slackと連携する場合
- Windows 10、WinActor 6.3.1、Slack
- Windows 10、WinActor 7.3.0、Slack
- elgana/Teamsと連携する場合
- Windows 10、WinActor 6.3.1、elgana/Teams、Microsoftペイント、Adobe Acrobat Reader DC(32bit) 2021.007.20099
- Windows 10、WinActor 7.3.0、elgana/Teams、Microsoftペイント、Adobe Acrobat Reader DC(32bit) 2021.007.20099
制約事項
- 本サンプルシナリオを実行するには、NaRuKami 運用サポーターをご利用できる環境が必要です。NaRuKami 運用サポーターをご利用でない場合は、販売店よりお申し込みください。お申し込みについては販売店へご相談ください。
- NaRuKami 運用サポーターの制約事項はこちらの「サービスの提供条件」を参照ください。
- elgana/Teamsと連携する場合は、PDFファイルをPNGファイルに変換してチャットに送信するため、Adobe Acrobat Reader DCとMicrosoftペイントが必要になります。
- Adobe Acrobat Reader DC をデフォルトのPDFアプリケーションに設定してください。
- elgana/Teamsをご利用される際は、PDFファイルをPNGファイルに変換してチャットに送信しますが、本サンプルシナリオでPNGファイルに変換できるのは、PDFファイルの1ページ目のみとなります。
- 出荷報告書ファイル形式は、PDFのみです。
- シナリオ実行時には他のアプリケーションを終了させてください。
- シナリオ実行中に出荷報告リストファイルと取引先マスタファイルを更新しないでください。
- 取引先マスタファイルに同名の取引先が存在しないようにしてください。
- メールの差出人と宛先が正しいか本サンプルシナリオ実行前にかならず確認してください。本サンプルシナリオでは差出人と宛先の確認を行いません。
- 1回のシナリオ実行で複数種類のチャットと連携することはできません。
本サンプルシナリオの使い方
本サンプルシナリオの実施方法は以下の通りです。
Step1.動作環境の確認
お手元の環境が、動作確認環境に記述されている環境と同等の環境であるかご確認ください。
Step2.NaRuKami 運用サポーター環境の準備
NaRuKami 運用サポーターインストールマニュアルに従い、ライブラリ配置、チャット環境接続確認を実施ください。
Step3.処理中フォルダ、処理済フォルダの作成
本サンプルシナリオを実行するために必要なフォルダを作成します。
- 処理中の出荷報告書を配置するフォルダ(フォルダ名例:処理中)
- 処理済の出荷報告書を配置するフォルダ(フォルダ名例:処理済)
Step4.サンプルシナリオの読み込み
ダウンロードしたサンプルシナリオのZIPファイルを展開し、展開したフォルダに含まれている本サンプルシナリオをWinActorで読み込みます。
Step5.動作に必要な変数の設定・変更
本サンプルシナリオを実行するために必要な値を、変数一覧で設定します。
以下の変数を必要に応じて設定・変更してください。
- 出荷報告書処理中フォルダパス
- 処理中の出荷報告書を配置するフォルダを指定してください。絶対パスのみ利用可能です。
- 出荷報告書処理済フォルダパス
- 処理済の出荷報告書を配置するフォルダを指定してください。絶対パスか相対パスが利用可能です。相対パスで設定する場合、開いているシナリオのフォルダが起点となります。
- 出荷報告リストファイルパス
- 出荷報告リストファイルを指定してください。 絶対パスか相対パスが利用可能です。
- 取引先マスタファイルパス
- 取引先マスタファイルを指定してください。絶対パスか相対パスが利用可能です。
- チャット内容設定ファイルパス
- チャット内容設定ファイルを指定してください。絶対パスのみ利用可能です。
メール送信に必要な値を、変数一覧で設定します。
以下の変数を必要に応じて設定・変更してください。
変数一覧画面
elgana/Teamsと連携する場合は、以下の変数も指定してください。
- AdobeAcrobatReaderDCの実行ファイルパス
- Slack以外のチャットと連携する場合は【必須】。Adobe Acrobat Reader DCの実行ファイルパス(EXE形式)を指定してください。
AdobeAcrobatReaderDCの実行ファイルパスの設定
Step6.サンプルシナリオの実行
WinActorで本サンプルシナリオを実行します。
Step7.連携するチャットの選択
連携するチャットを選択するダイアログが表示されます。連携するチャットを選択します。
(ここで選択したチャットによって、PDFファイルをPNGに変換する処理が有効化(elgana/Teams)/無効化(Slack)されます。)
Step8.シナリオ終了後の確認
出荷報告リストファイルに記載されている出荷報告書の処理が完了すると、シナリオが終了します。
トラブルシューティング
本サンプルシナリオでエラーが発生した場合、以下を確認してください。
発生現象 | 確認内容 |
発生現象 |
以下のエラーメッセージが出力される。
ウィンドウ識別名 ○○○○○○ に一致するウィンドウが存在しませんでした。(○○○○○○には実際にシナリオで使用しているウィンドウ識別名が表示されます。)というエラーメッセージが表示される場合があります。
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確認内容 |
本サンプルシナリオでは、elgana/Teamsと連携する場合、ライブラリ「エミュレーション」でAdobe Acrobat Reader DCとMicrosoftペイントを操作し、PDFファイルをPNGファイルに変換しています。 お手元の環境のウィンドウ情報とシナリオのウィンドウ情報に異なっている可能性がありますので、サブルーチン「PDF→PNG変換」内のライブラリ「エミュレーション」のウィンドウ識別名を再指定してください。
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発生現象 |
以下のエラーメッセージが出力される。
「スクリプトの実行に失敗しました。 エラー番号: 0x000003e8 内容: 入力値に誤りがあります。」
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確認内容 |
本サンプルシナリオでは、PDFファイルをPNGファイルに変換する際に、PNGファイルを保存する時間がかかる場合があるため、指定秒数待機します。 待機時間を短くし過ぎるとPNGファイルの保存が完了していない状態で、シナリオが進行するため、グループ「営業担当へ出荷報告書送付が完了した旨を通知する」のライブラリ「チャット送信1.3.1」 でエラーが発生します。
エラーが発生する場合は、PNGファイル保存完了待ち時間の待機時間(ミリ秒)の値を大きくしてください。 値を小さくすると待機時間を短くできます。(初期値は10,000ミリ秒(10秒)となっています。)
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サンプルシナリオ解説
本サンプルシナリオで使用している実装テクニックについて解説します。
1.添付ファイル付きでのメール送信
添付ファイルをつけてメールを送信するために、「メール送信」ライブラリを以下のように変更しています。
1.「メール送信」ライブラリのスクリプトタブを選択してください。
2.「'oMsg.AddAttachment !ファイル添付!」の記述が出現する位置までスクロールしてください。
3.'oMsg.AddAttachment !ファイル添付!の先頭の'を削除してください。
【変更前】
'oMsg.AddAttachment !ファイル添付!
↓
【変更後】
oMsg.AddAttachment !ファイル添付!
4.「スクリプトタブの内容が変更されています。バージョン情報タブの内容が削除されます。よろしいですか?」のメッセージが表示されますので、OKをクリックしてください。
本サンプルシナリオ内では、元のライブラリと区別しやすいようにライブラリ名を「メール送信(添付ファイル付)」に変更しています。
「メール送信」修正部分
2.メール内容の変更
メール内容を修正する場合は、以下の変数の値を変更してください。
- 敬称
- 取引先名+敬称後の改行数
- 本文1
- 本文1後の改行数
- 企業名(送信者)
- 企業名(送信者)後の改行数
- 担当者名
メール内容の構成
3.チャット内容の変更
チャットのメッセージ内容を修正する場合は、変数messageのValue(前半)と変数messageのValue(後半)を修正します。
チャットのメッセージは
- 変数messageのValue(前半)
- 取引先
- 変数messageのValue(後半)
の3つの文字列を連結して生成していますので、取引先前後のメッセージ内容を変数messageのValue(前半)と変数messageのValue(後半)をそれぞれ修正します。
また、メッセージに改行を入れたい場合は、\u000d\u000aを設定してください。
チャット内容の構成